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5年で30億円企業に!成長企業を率いる
“悲観的なポジティブシンカー”のルーツ

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#“成長できる会社”の条件#課題解決が好き#Oh my teethの今後

2019年の創業以来、右肩上がりで成長を続け、ここ4年で売上を15倍にまで伸ばしている株式会社Oh my teeth。この急成長企業を率いているのが、代表取締役CEO・西野 誠氏です。
今回はそんな西野氏にインタビュー。歯科業界で起業した理由や、“成長できる会社”の見極め方、今後の展望まで伺いました。

株式会社Oh my teeth
西野 誠
西野誠社長のプロフィール画像

1994年生まれ。新卒でワークスアプリケーションズに入社。退職後、2019年10月に株式会社Oh my teethを創業。日本初の通わないマウスピース矯正「Oh my teeth」を東京・大阪6つの導入ストアで展開し、ユーザー数は5万人を突破。Onlab 21th最優秀賞。ICC 2022 D2Cカタパルト優勝。ICC 2024 DX カタパルト優勝。Forbes NEXT100 2024選出。

西野誠社長のプロフィール画像

飽くなき“課題解決”への興味こそが、
少年を経営者へと育て上げた

西野さんにとって“働く”とはなんですか?

僕は“社会貢献×課題解決”だと考えています。
ただ最初から明確にそう思っていたわけではなく、一貫して「なにかを解決することが仕事だ」という想いを持ちながら、それがアップデートされていった結果かなと思います。

歯科業界を選んだのは、小さい頃から歯医者が苦手だったことが影響しています。
虫歯になりやすい体質で、行かないといけないけれど、行ったら痛い思いをする、怒られちゃうというネガティブな気持ちがありました。
それは社会人になってからも一緒で…忙しくても歯医者に行かないといけない、それなのに予約は電話でしかできなかったり、予約しても待たされてしまったり…だからこそ自分が「1番アクセスしやすい会社をつくりたいな」と思ったんです。

想いがあっても、25歳で起業というのは大きな決断だと思います。踏み切れたのはなぜですか?

新卒でエンジニアとして入社しましたが、僕自身を含め、周りにはエンジニア未経験で文系出身の人たちがほとんどだったんです。彼らと働く中で、経験や知識の有無はあまり関係ないのだと肌で感じ取れたのが大きかったです。

「こうなったらいいな」ではなく「こうすべき」という意志さえあれば、たいていのことはできるのだと、先輩や自分自身の成長を通じて感じられたからこそ、トライできたのだと思います。

すごいですね。

“好きなことに限って”ですよ。僕にとって“好きなこと=課題解決”で、課題が無いところでは全く頑張れません。

これはずっとそうで…例えば、歯ブラシは一切しないのに対して、自由研究を1年間かけてやるような子どもでした。
どれだけ「やれ」と言われても、自分が課題だと認知しないことは絶対やらなかったのに、自由研究…課題を研究することにはフルコミットしていたんです(笑)

ただ、それだけ準備をしているので、当然周りより完成度が高いわけです。自由研究では、県で1位になったり、色々な賞を頂いたりしました。
思えばこれが“自ら課題を見つけて解き、一定の評価を得る”ということの最初の経験であり、自分の今の価値観を築いていると思います。

就職先は、企業が掲げる課題と、
与えられる裁量の大きさを見て選ぶべし

挑戦するには、西野さんにとって新卒時代が糧になったように、身を置く環境も重要だと思います。会社選びのポイントを教えていただきたいです。

20代は1つしかありません。自分が本当に成長できる環境、それだけです。
もし人生をかけてやりたいことがあるなら最初からそこに取り組んでいる会社…あるいは起業など適した道へ進んだ方が良いと思いますが、そうでなければ圧倒的に力をつけられそうな会社に行くのが良いと思います。

成長できる環境の要素のひとつは、大きな課題を解決しようとしていることです。
もちろん、小さな課題にも意義はありますが、課題が大きく解決が難しいほど、それに挑む中で得られる学びや成長の幅も大きくなります。成長したいなら大きな課題に取り組んでいる会社へ入った方が良いです。

でもそうすると大企業が多いんですよ。
社会を豊かに、みたいな大きなことを掲げているのって大きな会社じゃないですか。大企業だと仕事が細分化されてしまい、裁量が与えられづらいので、あまり勧めません。

裁量があるかどうかの見極め方は、シンプルに「このミッションに対してこの人数では無理じゃないか」というような規模で経営しているということ。
事業成長に対して組織成長が追いついていない会社なら、裁量も与えられるしポジションにもつきやすい。非常に成長につながると思います。

1点注意すべきなのは、0→1、1→10のフェーズにいる企業に入るには相当の覚悟が要ります。裁量があるメリットと同等かそれ以上に、不安定さ・厳しさが重くのしかかるので。
できればそこを抜けた、10→100のフェーズにいるスタートアップがいいかもしれませんね。

ちなみに御社はどのフェーズですか?

ちょうど、10→100のフェーズです。

我々は4期で10億、5期で30億を達成し、今6期目なんですよね。
次は100億を目指している中で、ビジネスサイドのメンバーは20名程度しかいないので、事業成長に対して組織成長が追いついていない…まさに、圧倒的に成長できる環境です。

また当社のユニークなポイントは、“ワンプロダクトである”ということです。
まずは歯科矯正の市場で圧倒的なナンバーワンになると決めて、5年で30億をつくった。これが世の中から評価していただいている理由だと思います。

これには、特許取得済みの自宅にマウスピース矯正キットが届く仕組みや、明瞭な価格設定やLINEを活用した手厚いオンラインサポートなど、ユーザー体験に徹底的にこだわった戦略が功を奏しています。今後も市場の変化や競合の動向を見極めながら、この「フォーカス戦略」を進化させていきます。

「歯医者と言えばOh my teeth」をスタンダードに

今後、マウスピース以外にも進出していく予定はありますか?

あります!
現在は“通わない”マウスピース矯正事業にフォーカスし、事業を加速させている最中ですが、僕にとってマウスピース矯正は、ビジョンのうちまだ1%程度の話です。

僕が目指しているゴールは「世界中の“歯医者体験”を圧倒的に変えるブランド」
スマホ業界で言うならAppleとか、洋服屋ではユニクロみたいな感じで「歯医者と言えばOh my teeth」という世界をつくりたいんですよ。

たとえば、歯に何か問題があればOh my teethの導入ストアに行く、あるいはOh my teethのアプリを使うといった、生活に密着した存在を目指しています。
まずはマウスピース矯正ブランドで世界No.1を目指し、今後は、審美歯科や予防歯科といった分野にも事業を拡大し、歯科業界全体に新しい価値を提供していきたいと思っています。

これからのOh my teethが、ますます楽しみですね!西野さんは本当にポジティブパワー全開で、インタビューを通じて勇気を頂いた気がします。

いや、僕はネガティブですよ(笑)
前職の創業者が「悲観的なポジティブシンカーが1番成長できる」ということをよく言っていました。僕もまさにそうなんだろうなと思っています。

例えば、歯科矯正をはじめたいと思って歯医者に行ったときに「値段も高いし、何度も通わなきゃいけないし、先生によっておすすめされる矯正方法が違う…」と感じるのは、まさにネガティブな視点からですよね。でも、それをただの愚痴で終わらせるのではなく、「どうすればこの課題を解決できるか」と考えた結果が、今の事業につながっています。

つまり、悲観的な目線で課題に気づき、その解決策を考えるプロセスではポジティブさが必要になる。この2つのバランスがあってこそ、新しい価値を生み出せるのかなと感じています。結果的には、自分のネガティブさが未来を切り開く原動力になっているんだと思います。

編集後記

起業の経緯から今後の展望まで伺う中で、なんだか“志を見つけた人間の強さ”を目の当たりにした気がしました。 その下地に成長が、ひいては努力が必要なのだと理解すると、目の前の仕事に対する気持ちがまた変わるように思います。やりたいことが見つからないと悩むのではなく、まずは自己成長にコミットすること_ひとりでも多くの学生へこの記事が届くよう祈ります。

編集:佐藤 由理

「株式会社Oh my teeth」概要

2019年に「未来の歯科体験を生み出す」をミッションに生まれたオーラルテックベンチャー。事業内容は、マウスピース矯正ブランド「Oh my teeth」の企画・開発・運営。テクノロジーに精通したメンバーと、歯科矯正専門家がタッグを組み、未来の歯科体験を生み出している。

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