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「突き抜けて初めて楽しくなる」
CEOはいかにして仕事を楽しめる自分になったか

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#実践の重要性#学生起業#ライフワーク

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回インタビューを受けてくださったのは、株式会社クラダシの代表取締役社長 CEO河村 晃平氏です。
「仕事とは人生そのもの」と語った河村氏。その真意を紐解く中で、ワクワクしながら働くためのヒントが得られました。

株式会社クラダシ
河村 晃平
河村 晃平社長のプロフィール画像

早稲田大学を卒業後、2009年より豊田通商株式会社にて自動車ディーラー事業に従事。5年間の中国駐在を経て、株式会社Loco Partnersの執行役員に。
19年6月にクラダシに入社し、以来ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営を中心に事業成長をリードし、取締役執行役員CEOを経て、2024年7月に代表取締役社長CEOに就任。

河村 晃平社長のプロフィール画像

「仕事は人生そのもの」
ライフワークという価値観の根源とは

河村さんにとって“働く”とはなんですか。

自分の中では“ライフワーク”だと思っています。
世間一般では、プライベートと仕事は分けるものという考え方が強いですが、僕は“いかに同一化させるか”がテーマになっていると思います。

過去を振り返ってみても、仕事に夢中になっている時って、同時に人生で1番楽しいと思えている時期でもあるんですよね。
自分の仕事をどれだけ楽しめるかによって、人生そのものが楽しくなるんじゃないかなと。
だから僕はライフワーク…仕事は人生そのものかなって思っています。

働き始めた頃から、そうした価値観を持たれていたのですか?

そうかもしれません。
両親の家系がみんな会社を経営していたので、小さい頃から「自分で会社をやろう」という気持ちは持っていました
また学生起業をしたのですが、当時一緒にやっていたのがリブセンスの村上 太一っていう最年少で上場した彼で、彼からもかなり刺激を受けました。

彼はそのまま経営の道へ進みましたが、僕は自分のスキルセットを獲得するためにベンチャーではなく商社で一度経験を積もうと考えて、商社に入社しました。
つまり最初から「ビジネスをやるために色々な経験を積もう」という考えのもと物事を見てきたんです。

河村氏の意識に変革を起こした、商社時代の出来事

商社時代に培った学び・印象的だった出来事などあれば教えてください。

海外に駐在していたのですが、やはり大手企業なので、それなりに労働時間には制約があったんですね。
でもだからこそ、スキルセットを身につけないといけない、学ばないといけないといった焦りに駆られて、仕事終わり23~0時くらいまでファイナンスやマーケティング、経営などを勉強していました。

それがある時、他社に努めている友達から「それってまだ自分自身の余力があるってことでしょ、その仕事に没頭していたらそんな時間ないよ」という話をされて、「なるほどな」と、ハッとさせられたんです。

“環境”は自分で整える・つくるものという考えから、必死に座学ばかりに力を注いでいましたが、実践に移せていなかったのです。座学と実践するのとでは全く得られるものが違って、今この瞬間も差がついていると気づかされたのは、貴重な経験だったなと思います。

そういう経験を経て入社したクラダシでは、何もない状態から全部自分でつくりこまないといけず、当然ながら「自分の領域はここまで」という線引きなんてなくて…自分が努力すればするだけ会社の成長に跳ね返ってくるのがすごく楽しかったので、人が増えるまで“休む”という概念なく仕事をしていました
それが何の苦にもならず、ただ楽しかったことも、ライフワークという価値観に通ずる一つの経験かなと思います。

お話が前後しますが、1社目を商社にした理由はあるのでしょうか。

将来経営をするためには、自己資金・スキルセット・コネクションが必要だと思ったので、金融知識、スキルセットがどれだけ学べるか、人のネットワークがどれだけつくれるかという3軸で就職活動をしていました。

学生時代に外資系銀行でインターンをしていて、あとは商社と外資系のメーカーをいくつか見ました。
その中で、ファイナンスの知識や経験も得られて、幅広い事業領域を学べて且つコネクションも構築できそうで、商社が最も3軸を満たせるだろうと思ったんです。

やりたいことは、目の前のことへ
一生懸命になった先に見えてくる

なるほど…就活やそこでのご経験を踏まえて、会社選びにおいて重要なことはなんだと思われますか?

“夢中になれるか”だと思います。

仕事を始めたばかりの時って誰しも「なんで仕事ってこんなにつまらないんだろう」って思うことが多くあると思います。しかし、それを突き抜けた先に初めて「うわ、仕事ってものすごく楽しいね」と感じ、仕事に夢中になれる状況が待っています。

だから、夢中になれそうな予感がするところを選ぶのが1番重要だろうなと思っています。

やりたいこと・夢中になれることが見つからず悩んでいる若者も多くいます。

頭の中で「これはやりたいことと違うんだよな」とか「自分には、このスキルはハードルが高い」とか、それって自分に対する言い訳でしかないし、モヤモヤしていたら力を発揮しきれない。結果的に、良い方向へ向かうこともできないでしょう。

夢中になるには、何事にも一生懸命取り組むことだと思います。

例えば、社会人になると上司からゴルフに誘われたりするじゃないですか。その時「僕はやらないので」と断るのではなくて、とりあえずやってみる。「この仕事やってみなよ」って言われて「こんな単純作業おもしろくないです」じゃなくて、やってみる。そういうことから新しい人と出会ったり、自分の得意なことを発見したりするかもしれません。

少し脱線しますが…中国に駐在していた頃に出会った、すごく若くて優秀な方に「なぜそんなポジションに就けたのですか」と伺ったら「遊びも仕事も一生懸命やったからだ」とおっしゃっていました。
やはり、自分が選んだその場所・仕事と真っすぐ向き合って学んでいくことによって、“点と点がつながり、線になっていく”んですね。

私も具体的に「これをやりたい」と思えるものはなかったんですよ。会社を経営したいというのは手段であって、それをなんとなく目的化して、そのためにスキルセットとネットワークと…って考えて行動してきただけです。
やりたいことがないと不安になるかもしれないけれど、大丈夫。まずは目の前のことと向き合ってみてほしいなと思います。そんな“今”の先に、未来があるから。

河村 晃平がインタビューを受ける様子
編集後記

“ライフワーク”という、一見キラキラして眩しく思えてしまう一言から始まった本インタビューでしたが、最後に頂いたアドバイスはとてもシンプルなものでした。自分であり、自分に打ち克てさえすれば、また違った光景が見られるのかもしれません。
「突き抜けて初めて楽しくなる」という河村氏の一言をお守りに、改めて「何事にも一生懸命に」向き合っていきたいと思います。

編集:佐藤 由理

「株式会社クラダシ」概要

持続的に社会課題の解決に取り組むビジネスを展開する会社として2014年に設立。
フードロス削減を目指し、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」で販売。また、その売り上げの一部でさまざまな社会貢献活動を支援。2022年6月に日本で13番目にB corp認証を取得し、2023年6月に東京証券取引所グロース市場へ上場。

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